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zoom RSS ウクライナの首都とロシアの首都の相違について

<<   作成日時 : 2007/07/30 04:44   >>

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 キエフ旅行について、いろいろ語ってみたいのですが、今晩はひとつのまとまったテーマについて長く書くほどの気力や自信はないので、いま住んでいる町・モスクワとキエフとの対比で気づいたことを箇条書きにしてみようかと思います。なんだか、このブログの読者のほとんどには、「ようわからん」「それがどうした」と言われそうな書き方ですが、ご勘弁を。この二つの街、同じ宗教圏に属していて街の雰囲気などはよく似ているのだが、その中での微妙な違いを探して歩くのがなかなか面白い。

・町の規模が違う。ひょっとすると人口一千万人に届くのではないかというぐらいの世界有数の大都市・モスクワに対し、キエフの人口はせいぜい250万人程度。まあ、それでも大都市には違いないのだが、地下鉄も三車線しかなく、市街中心部の観光名所は徒歩でも歩いて回れる範囲内であることなど、個人旅行者にはなじみやすい町だろう。

・都市として経験した歳月は、さすがキエフのほうに一日の長があるので、教会の多彩さ、規模の大きさ、掲げられているイコンの歴史的価値などはこちらの圧勝である。正教文化に興味ある人は、モスクワよりまずキエフを訪れるべきではないか(釈迦に説法か…)。

・地形がまったく違う。どちらもだだっ広い東ヨーロッパ平原上に広がる川沿いの都市だから、同じようなものかと思うとこれがまったく違う。モスクワが比較的平坦に広がっているのに対し、キエフは北から南に向けて流れる大河・ドニエプル川によってふたつに隔てられており、中心部は右岸、すなわち西方の川岸に切り立つ崖の上に位置している。右岸中心部は起伏が大きく、坂を登ると思いがけない風景が広がったりして、変化に富む。モスクワでのモスクワ川を見下ろす風景もなかなかのものだが、キエフ右岸から、悠々と流れるドニエプル川を見下ろすそれは、こちらのほうが高台にあることもあって、ひときわ感慨深い。河を隔てて森、そして地平線、そしてかなたに別の都市(!!)が見える風景は、日本のような山がちの国に生まれ育った人間としては、とにかく圧巻である。
 観光客の立場からすれば、キエフは歩いていて疲れる町だが、それだけに見返りも大きい、と言うべきか。
 ちなみに軍事上のことについて一言講釈をたれると、この地形ゆえにキエフは東から攻めにくく、西から守りやすくなっている。独ソ戦のさなかの1943年、すでに優勢に立っていた赤軍が西への反撃の途上、一番苦労したのはこのドニエプル河を渡ることであったが、それはこのような地理上の条件によっている。(そういえば、タルコフスキーの映画『僕の村は戦場だった』の主要場面も、確かこの時期に焦点を当てたものだった。)キエフの高台から河を見下ろしてみると、このあたりのことも実感をもって納得がいく。

・当たり前だが公用語が違う(いや、案外知られていないかな? ウクライナ語、というのはちゃんと存在するのです)。ただしここが肝心なところだが、キエフに限って言えば、使われている言葉はモスクワと基本的に同じである。街中を歩いていても、「明らかに今のはウクライナ語だ」とわかるような喋り声はあまり聞こえなかった(私のヒアリング能力のことだから、当てにはなりませんが)。旅行レベルであれば、ロシア語が使えればまったく不自由はないし、私も4日間街を歩き回って、ウクライナ語で話しかけられたことは一度もなかった。街中でも美術館・博物館でも、看板や説明文においてロシア語表示はほぼ皆無だというのに、実際にみんながしゃべっているのはロシア語、というのは面白い現象で、ここからいろいろ考えを広げることができる。まあ、また改めて書きます。
 私のように、ロシア語がある程度わかり、しかしウクライナ語はまったく知らない、という人間にとっては、表記がウクライナ語だけというのは若干不便であるものの、しかしロシア語からの類推は十分可能なことは多いので、看板などを見ながらこの微妙に違う二つの言葉の対比ができて面白い。まあ、これは特殊な楽しみ方か。

・町の汚さが違う。キエフではモスクワより、なんだか道路の汚れが目立つ気がした。公徳心の欠如について言えばモスクワでも同じようなものなので、やはりこれは市の金のかけ方の違いだろうか。キエフは観光都市として大きな可能性を秘めていると思われるだけに、残念。

・警官の姿は、明らかにモスクワのほうでよく見かける。ウクライナでは警察権力の露骨な誇示によらない統治が成功しつつある、のか、それともどこかに彼らは隠れているのか。キエフでも警官の腐敗(外国人に難癖をつけて賄賂を取ろうとすることなど)は目立つ、という情報も聞くが、私はその手のトラブルにはあわなかった。ただしこれはたまたまそうだっただけかも知れず、これから訪ねようとする人は一応の心の準備はしておいたほうがいいだろう。これはむろん、モスクワについても言える。

・キエフには悪いが、やはり地下鉄は、内装の豪華さなどの点で、モスクワの圧勝である。キエフも本数の多さなど、がんばっているのだが、どうしてもモスクワの二番煎じという感じがする。まあ、仕方がないか。

・人々は、キエフのほうが開放的で、人なつこい。というよりモスクワほどすれておらず、いい意味で地方都市なのだな、と感じさせられる。

・キエフのスーパーでは日本の寿司屋よろしく、活魚が水槽の中で見せしめにされており、生の魚が売られていた。ドニエプル川で採れたのだろうか。モスクワでは魚は缶詰か冷凍と決まっていたので、ちょっとした驚きであった。ちなみに、私が発見したスーパーはモスクワでの行きつけのそれよりもはるかに物が豊富で、店内の雰囲気もよかったが、まあ、ここから一般的な帰結を引き出すことはやめておく。

・ウクライナ美人はモスクワで見る美人とは明らかに顔立ちが異なっており、鼻筋が、顔面に対して二次曲線のようなカーブを描いていることが多く、モスクワ美人のように直線的・戦闘的・威圧的ではない。美人だが、どこか困ったような、ユーモラスな顔つき、とでも言おうか。

・お土産は、明らかにキエフのほうが豊富、かつ可愛らしい。モスクワにあるようなものはこちらにもあり、その上、ウクライナ独特の民芸品風のマトリョーシカ、人形、木の彫り物、織物など、素朴な味が売りなのだな、と思われる品々もそろっている。

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コメント(2件)

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面白いねー。
久々に文化的(≠リゾート)海外旅行がしたくなってきました。お元気そうで何よりです。
日本はいよいよ、クソ暑くなってきましたよ。
ka-nax
2007/07/31 18:12
どもども
元気なのですが、やや中だるみ気味かな、という感じの日々です。
日本はいよいよ夏まっさかりですか。夏が好きな人もいるでしょうが、僕はもう、暑い夏はいいや。こちらではもう盛りは過ぎ、徐々に涼しくなってきているところです。

そういえば、ダヴァーイ演奏会、お疲れ様でした!
金山浩司
2007/08/02 14:09

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