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zoom RSS 陸の国境

<<   作成日時 : 2007/07/31 04:19   >>

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 ロシアーウクライナ間の陸路での国境通過について書く。日本からロシア旅行をする人間の多くは国境審査の厳格さ・杓子定規加減に驚くが、この二国間でもそれは同様だった。私は個人的には、陸路での国境越えというやつが生まれて初めてだったこともあって、恐怖感などよりは期待感・興奮度のほうが高かったが、それでもかなり通過時の緊張感を覚えていることもあり、この厳しさについても書いてみることにする。
 21時過ぎにモスクワの駅を出発した夜行に乗ったのだが、この際、乗車券だけを提示すればいいかと思いきや、パスポートも見せろと言われたのには多少驚いた(帰り道、キエフの駅ではそのように言われなかったので、車掌の気まぐれかもしれないが)。車内で、出発後一時間ほどしたころ、乗車券が一回回収され、出入国カードを手渡された。2年前から日本国籍の人間はウクライナ入国に際してヴィザはいらなくなったのだが、この出入国カードはしぶとく生き残っていて、名前、生年月日、パスポート番号、入国目的等を記入した上、入国、出国の際に提出しなければならず、ちゃちな紙一枚だが、なくさずに保持していないといけない(なくしたり保持していなかったりすると、出国時に問題になる、といわれている)。少なくとも形式上・制度上は、ウクライナにおいても外国人に対する警戒心は消えておらず、きちんと管理をしなければならない、ということなのだろう(ロシア国籍・ウクライナ国籍の人間にはこのようなカードは手渡されなかった)。
 朝およそ5時ごろだったか、ロシアの出国地点に到着した(周りは何もない、平原だった、のだろうと思う、外はよく見えなかったのだが)。列車が停車したな、と思っていたら、なんとなく廊下のあたりがざわざわとしはじめる。寝ぼけ眼のままでいたら、コンパートメントのドアがたたかれ、パスポートの提出が要求される。私は勘違いしていて、手渡され記入を済ませた出入国カードまで差し出そうとしたが、「それはウクライナのものだから関係ない、出さなくていい」と言われた。そうか、ロシア出国とウクライナ入国は別の管轄だな、と、当たり前のことに気づく。
 同室のおじさん(ウクライナ国籍、ただしロシア人)はパスポートをその場で見せるだけでOKだったが、私はしばらくパスポートを預かられ、待たされた。空港での審査などから類推するに、怪しい人物ではないか、書類に不備はないか、別室で入念に点検されていたのだと思う。しばらくして私にパスポートを返しにきた国境警備隊のお兄さん(ちなみにロシアでは国境警備は内務関連の仕事である。ほかの国でもそうかな…)は意外に親切というか、説明が丁寧で、「お前のビザな、半分切り離したけど、心配するな。これはマルチヴィザだから再入国には問題ないからな」とわざわざ言ってくれた。まあ、わかっていたことでしたが。
 国境警備隊員が全員の乗客をチェックし、彼らが降り終わって、ようやく列車はまた動き出す。ここでやれやれ、と安心してはいけない。出国手続きなど序の口で、これから別の国への入国手続きが待っているのである。
 30分ほど走ったところに、ウクライナの入国地点があった。外は嵐で、いよいよウクライナか、と私は勝手に興奮しているのだが、入国審査員にとっては、嵐の中の早朝審査も気を抜けない責任ある日常業務である。ご苦労様。
 パスポートチェックの要領は出国の際とそう変わらない。審査員の対応や、受ける感じもロシアとウクライナとで特に違いがあるようには思えなかった。外国人である私はしばらく待たされ、スタンプを押されたパスポートとウクライナ出国カードを返してもらった。審査員はやはり、動作なども軍隊式で、峻厳なポーズをとろうとしている。
 出国時と同様に、審査員が降り、列車が走り出して、ようやく安心することができる。
 私は見聞きした世代ではないがかつてソ連の空港における入国ゲートは、外国人に対する敵意とでも言うべき警戒心に満ち満ちており、入国審査にも異様なほど時間がかかったという。現在ではそこまでではないものの、ロシアやウクライナという、長い国境を持ち国境を越えての侵犯によって歴史上幾度も辛酸をなめさせられてきた(今でもそうだ、と感じている両国の人々も多いかもしれない)国々の、外国に対する猜疑心・防衛本能はいまだ消えていないようだ。
 ところで、パスポートチェックがやたら厳格なのに対して、両国とも、税関の審査は実にいい加減であった。ウクライナ入国・出国の際には、国境警備隊のあとに税関職員が部屋を点検しに来たが、国籍を確認された後は、「ベッドの下に荷物はないな?」と聞かれ、「ああ」と答えるとろくに確かめもせず、ほぼフリーパスであった。いいのか、そんなんで。ロシアにいたっては、出国・入国ともに、税関職員の点検がなかった(!!)。ううむ、人に対してと物に対してのこの審査の落差は何なのだろう。

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