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zoom RSS 「ヴェトナーム! ホー・チ・ミーン!」

<<   作成日時 : 2008/03/08 21:17   >>

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 去年モスクワに留学していた時期にはちょっと変わった出来事にあうことが多かった。以下はそんなエピソードのうちほんの一部。

 都心から郊外に向かう地下鉄に乗っている時だった。同じ車両に明らかに「ヤバい」おやじが乗っているのがわかった。へたり込んで、わけわからない言葉を吐く。周囲の人も見て見ぬふりをしている。
 そのうち、そのオヤジがなんとなく私の存在に気づいた(ような気がした)。そして、あろうことかこちらに近づいてくるのである。
 吊革につかまっていた私も、しかしそこで逃げ出してはいくらなんでもわざとらしいか、と思って躊躇していたのだが、そいつは5メートル、3メートルとどんどん距離を縮めてくる。私が見栄と一身上の安全保障とのはざまで躊躇している間にもどんどん近付いてくる。

 そしてあろうことか、私に抱きついて、こう叫んだのだ、「ヴェトナーム! ホー・チ・ミーン!」。
 ほうほうのていで彼をふり払って次の駅で降りたのだが、どうやらあの***おやじの酔眼には私がヴェトナム人である、という認識が植えつけられたのだろう、ということはわかった。しかし、私は日本人である。二重の意味での困惑が残った。一つは、もちろん、酔眼おやじに抱きつかれたことによる困惑だが、もう一つは、残念ながら私はヴェトナム人ではない、ということである。
 あのおやじの中では、40年前にヴェトナムという小国がアメリカ帝国主義に対して果敢に闘っていた時代の幻影が脳裏に焼き付いていたのかもしれない。ソ連という、米帝に追随することが留保つきではあれまったく否定されていた国にあって、ヴェトナムへの肩入れはごく自然な心情的傾向でもあったろう。しかし、私はおやじに言いたかった、「すまんが、俺はヴェトナム人ではなく、日本人なんだ、竹槍のようなごとき貧弱な武力をもってでも果敢に抵抗したようなあの民族ではなく、中途半端に征服され、利用され、現在に至るまで政治・経済あらゆる面において世界一の帝国に卑屈な態度をとるという戦後処理を続けることによってどうにか生き伸びていることのできているような、たいして誉められないような民族の片割れなんだよ」と。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
いつも興味深く拝見しています。
初コメントですが、ツッコミを。
それはキミがヴェトナムの英雄ホーチミンさんに風貌が似ているからだと思うぞ。(いや、悪い意味ではないよ)ちなみにベトナムの紙幣は全て彼の画。
Gozary
2008/03/14 12:23
どうも、ご無沙汰しております。
そうなのか、似てるかなあ…
するとアメリカ指導層にとっては「悪の独裁者」というところですかな、ワタシは。
モスクワ、ぜひぜひ遊びに来てください! もっとも、私も年がら年中向こうにいるわけでもなさそうなので、「市内案内します!」と約束できないのが痛いですが。
金山浩司
2008/03/15 17:25

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