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zoom RSS ハンガリーからセルビアへ

<<   作成日時 : 2009/08/08 23:33   >>

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 帰国した。ブダペシュトでの学会はとても楽しく刺激的だった(自分にとってもまあ、成功だったと思う)し、最後の最後ですったもんだもあったのだが、それは改めて、ということで。
 今、東京の自宅近くの漫画喫茶からこれを書いている。そう、もはや私はモスクワに生活の拠点があるので、東京はかえって不便だったりするのである。でもネットや電話がないのも、気が散らなくて結構いいものだが。

 今日はブダペシュトおよびベオグラードの印象を書いてみようと思う。といっても何日にはどこそこへ行って何をした、といった感じで延々と書くのは冗長になりがちであるし、読む方にとっても負担であろう(書くほうの側からいっても、今回の旅は日記をつけていないので負担である)。なので、とりあえずは金山の見たハンガリーとセルビアとの相違に的を絞ることにする。隣国同士でともに旧社会主義国だった両国だが、たどった歴史や文化が異なるためか、いろいろ目について面白かった。

・相違点その1 農村部の秩序
 今回両国間は鉄道で9時間かけて(!)連続的に移動したのだが、国境を隔てての相違はそれでもよく見えた。全体としてハンガリーの農村部は、個々の家や道なりがよく整備されており、輪郭がはっきりしている。家々の色合いも鮮やかで、窓には花が飾られてあったりなどしており、この国の生活水準の高さと文化の安定度合いが伺えた。
 セルビアとの国境を超えると状況は一変する。まず、鉄道沿線であるにもかかわらず人家がまばらで、あまり集落などを見掛けない。畑もより大規模であるように見える。わずかな人口で農地を管理しているのだろうか、人家が地平線まであまり目につかない風景が延々続くのはちょっと薄気味悪かった。そもそもこの国、人口密度がまばらなのだろうか。
 セルビアの農村部の人家や道、建物はいたるところ朽ち果てていて、ちょっと陰鬱な雰囲気である。

・相違点その2 言語
 ベオグラードで感動したのは、まあある程度予測のついたことであったが、言葉がかなりわかることであった。いや私はセルビア語は学部時代に1カ月ほど勉強した(というより教科書を眺めた)だけで、今回来る時もさっぱり予習しちゃいないのだが、それでもロシア語と共通の単語が相当あるので、結構街中で書かれてあることや人々が交わしている会話が部分的にわかったりするものである(結局彼らとの会話はロシア語ではなく英語で済ませましたが…)。たぶんセルビア人・ロシア人同士なら、お互いの国に移住しても半年もあれば不自由ない程度にしゃべれるようになるのではないか。
 見事なまでに言葉が一言も分からないハンガリーという国からやってきただけに、このことはかなり印象的であった。
 ちなみにセルビアは正教圏なので、もちろん元来使用していた文字はキリル文字だろうが、現代ではラテン・キリル併用である。たぶんセルビア人は全員、両方の文字を読めるだろう。こういう国もちょっと珍しいと思う。
 ネット時代のグローバリズムの波には逆らえないのか、ベオグラードの街中では今、ラテン文字の勢いがキリル文字を飲み込みそうに見えたが、それでも最近出版された本の中にもキリル文字で書かれたものが散見された。

・相違点その3 街並み
 ブダペシュトが中央ヨーロッパの壮麗なる帝国の主要都市として近代には君臨していた一方、ベオグラードはその長い歴史上幾度となく支配者を変え、キリスト教・イスラム教双方の世界の前哨地となり、破壊と再建とを繰り返してきた都市である。その事実は双方の街並みにも反映されており、ブダペシュトが洗練されたヨーロッパの街並みの一つの典型例とも言えるような完成形を示しているとすれば、ベオグラードは猥雑で、野放図で、「アジア的要素」を多分に含んでいる。他方でベオグラードには期待していたような東方的な色合いの建築は現在では残されておらず、今の街は急ごしらえのヨーロッパ風建築・道なりの原型に20世紀後半のものと思われる機能的そうだが鬱然とした建物が主として林立しており、まだ発展途上の感がある(実際、街のいたる所が工事中である)。欧州の基準を当てはめる者には、ベオグラードは単に汚らしい町としてしか見えないかもしれない。
 ちなみにこうした街並みについて言えば、モスクワのそれはブダペシュトとベオグラードの中間に位置するように思えた。

・相違点その4 電源アダプタ
 セルビアに来るまで、ヨーロッパ標準タイプの電源アダプタとは別のそれをこの国が採用していることを知らず、ややあわてる羽目になった。私がロシアで買ったノートパソコンの電源はハンガリーでは問題なく使えたが、セルビアではだめなのである。結局、ホテルのすぐ近くにある電気屋で事情を説明して、アダプタ変換器を購入しことなきを得た。ブダペシュトで同宿したSさんがヨーロッパと日本とで電源アダプタが異なることを知らなかったことにつき(Sさん自身が自分のブログで自嘲気味に書いていたから、バラしてもいいだろう)、私は散々嘲笑したものだが、この場を借りてSさんにお詫びしておく。全く人のことは言えなかったわけだ。

 なんだか全体としてセルビアがあまりよくない国であるとの印象を私が抱いたかのように思われるかもしれないが、決してそんなことはない。ブダペシュトとの比較はしない(できない)が、総じてこの国の人々は―顔立ちはいかついが―きわめて愛想がよく、客あしらいの気が利いている。国際都市の伝統がそうさせるのであろうか、無愛想で非開放的な連中であふれているモスクワに普段住んでいるためにこのことはとてもうれしく感じ、滞在中はずっと気分よく過ごすことができた。物価も安く、東京の半分か3分の1程度で何でも買える。きちんとしたレストランでフルに食事しても、10ユーロちょっとしかかからない。バーの数も多く、どれも内装などが小洒落ており、しかも気さくな雰囲気である。このため、前述の物価の安さと相まって、ベオグラード滞在中ははしご酒に凝り、調子に乗って飲みすぎてしまった。

 ブダペシュトにもベオグラードにも美人は多いが、たぶんブダペシュトのそれの方がヨーロッパ標準の美人に近いと思う。ベオグラードの美人は目鼻立ちがくっきりしているうえに顎が張っている感じがする。なんというか、今まであまりなじみがなかったような類型である。一見いかめしいようにも見え、伝統的日本人の美意識には合わないかもしれないが、はっとするほどエキゾチックな趣をたたえている人が多い。

 セルビアといえば踏んだり蹴ったりの歴史を経てきており、つい10年前にも欧米諸国による攻撃にさらされていたわけだが―中心部には爆撃されたと思しき建物がひとつ、そのまま残されてあった―、ベオグラードの市街中心部にはみたところ活気があり、すさんだ様子はほとんど感じられなかった。立ち直りが早い民族なのかな。

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